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今回の9坪通信では8つのデザインの中から阿部仁史と五十嵐久枝の9坪ハウスにスポットを当ててみよう。
□阿部仁史の「9坪ハウスTall」
コンパクトさと自由なライフスタイル
9坪ハウスTallは、3間×3間の間口はそのままに高さを3056m高くし
たことでオリジナルの持つコンパクトさを継承する。そして、現代の 土地事情や多様化したライフスタイルに対応するために3つのでデザイン操作を行った。
(1)建物の高さを3056mm原型より高くする。
(2)開口部を各立面に均等に配し、建物の方向性をなくす。
(3)水周りを1階と2階に分けて配する(1階にトイレと風呂、2階に キッチン。)
このことによりオリジナルの最小限住居が持つコンパクトさを失うこ となく、土地やライフスタイルに対する自由度を向上した。
建物が高くなったことで、2階部分は2層吹き抜けの気持ちの良いロフ ト的な空間を有する。また、2階吹き抜け上部(3階部分?)には木の
構造体が剥き出しに現れていて、将来的に住まい手が自ら3階部分を 増築することも可能である。
2階には阿部オリジナルデザインの梯子が置かれている。この梯子は3 階部分の開口の開け閉めを行うものであると同時に、ライフスタイル
は自分で作るべきものであるといった自由なライフスタイルの象徴と してデザインされている。
オリジナルが南向けに大きな開口部があるのに対して、この9坪ハウ スは4つの立面全てに開口部が均等に設けられている。土地や環境か
ら来る外的要因とどこに何の部屋になるかといったライフスタイルから来る内的要因によって開口部にしたり、閉じて壁にしたりする。
2建ての住宅に東、北、西の三方を囲まれている環境なら見晴らしの 良い北側に2、3階部分に開口を設け、3階南側から採光を入れるための開口を設け、隣の住宅が接近している開口は閉じて壁面にするなどが可能だ。
1階と2階にキッチンとトイレ・バスらの水回りが別々に設けられる。 1階にトイレ・バスと2階にキッチンを配す、もしくは、1階にキッチ
ン、2階にトイレ・バスを配することが可能だ。
別々の階に配置される水回りによってライフスタイルの多様化に対応することが出来る。
上記3つの特長によって:
1階が寝室、書斎、2階がLDK、3階が子供部屋
1階が寝室、2階がSOHOホームオフィス
または1階がホームオフ ィス、2階が寝室
といった住まい手にあわせたライフスタイルが可能 だ。
そんな自由なライフスタイルが可能な9坪ハウスTallの購入方法は、 はじめに9坪ハウスTallを購入し、もしくはベースにして壁の位置な
ど内装に関してはライフスタイルショップ、インテリアショップと相 談して作ったり、もしくは建物を建てた後に自身でDIY的に作るなん
ていうものいいかもしれない。
ちなみに9坪ハウスTallの外壁カラーはスターバックスコーヒーのよ
うに黒(ブラック)、モカ(赤)、ラテ(白)から選べる。
最小限住居のコンパクトさと自由なライフスタイルを誘発する9坪ハ
ウスTallは大きな可能性に満ちている。
□五十嵐久枝の「コレクターハウス」
デザイナー/五十嵐久枝の9坪ハウスはコレクターハウスである。最小限住居がモノを排除してシンプルなライフスタイルを追及したのとは反対に、現代を消費社会だと割り切って、この小さな住宅で現代のモノに溢れた生活を追及してみようと生まれたのがコレクターハウスで
ある。
五十嵐の回答はモノを隠すのではなく、モノをディスプレイとして展示して見せようという考えである。何でも大事にして保管するのでは
なく、自分の好きなモノ、大事なモノを住まいに展示できる住宅である。
9坪ハウスの持つ3間×3間、3坪の吹き抜け、14.8尺の切妻屋根のボリューム、丸柱、正面に大きな開口部を設けるといった9坪ハウスの特徴はそのままにモノを展示するために2つの壁面の殆どを覆うように
展示棚を配した。
また、2階部分には1間×1間(1820角)の大きさの ウォークインクローゼットがある。これらがコレクターハウスとしての9坪ハウスを特徴付けている。
1階にはキッチン、トイレ、シャワー室といった水回りとワーキング デスクとしても使用できる大きなダイニングテーブルが置かれるパブ
リックな空間である。
1階部分の棚には本や食事に使うテーブルウェ アなどをディスプレイしてもいいだろう。
踊り場がある折り返し階段で2階へ行く。小さな9坪ハウスには贅沢とも思われる折り返し階段は、五十嵐のコレクターハウスを特徴付けているデザイン的要素のひとつでもある。
2階は大きなベットとウォークインクローゼットがあるプライベート な空間である。
棚、テーブル、ウォークインクローゼット、ベットなど一つ一つの要素が大きいがゆったりと配置することにより、ゆとりのある空間に仕上がり、贅沢な9坪ハウスとなっている。
また、この9坪ハウスのデザイン的特徴として女性的なやわらかなカーブがあげられる。
外デッキ、1階のシャワー室と2階のウォークイ ンクローゼットがあるボリュームの壁、吹き抜け部分のフロアーなどがカーブしており、やさしさと贅沢さを特徴付けている。
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