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『デザイン住宅を考える』
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― 第10回目 9坪ハウス/8つの新しいデザイン(3)

前回の「デザイン住宅を考える」では、8つの新しいデザインの紹介を一回スキップして家電住宅「9坪ハウス PLUG'N PLAY」について話をした。
今回のコラムからはそれまで通り8つの新しいデザインの話を続けたい。

今回は建築家・佐々木龍郎の「9坪ハウス Senior」にスポットを当ててみよう。
この9坪ハウスは、その名称からもわかるようにシニア向けの9坪ハウスである。 外装等はオリジナルの「最小限住居」と同様のデザインで窓の位置も全く同じである。住居内の空間構成も「最小限住居」と同様の構成がとられ9坪ハウスの5つのデザインルールがまもられている。
そして、水回りは2階に配置され、1階はフリープランとなっておりユーザーが自分の好みに合わせて自由にカスタマイズできる。2階の風呂はトップライトがありとても気持ち良い一時を過ごせるだろう。
また、キッチンや収納といった機能と一体化させた壁は、周りの環境・生活変化に応じて取替え可能となっている。
ホームエレベーターを標準装備し、1階・2階を階段を使わずに移動することができる。その他にもバリアフリーデザインでシニア向けのアレンジされている。

家族構成が変わり、例えば娘や息子が家から巣立って行き、結婚した当初の家族構成=夫婦2人に戻った年配の方々からの問合せも多い。
9坪ハウスは小さい住宅である。2人だけの住まいはそれほど大きくなくて良い。掃除も簡単に出来てメンテナンスも楽なほうが良いと言った意見を頂く。同時に、人生最後の時を夫婦2人で過ごすのに住宅にこだわりが欲しいとの意見も頂く。デザイン性も大切だということだ。

「9坪ハウス Senior」はそのような価値観をお持ちのシニア向けの方々には最適な9坪ハウスである。
もし、あなたがそのようなライフスタイルをお持ちになりたいとお考えならばの「9坪ハウス Senior」を検討してみては如何だろうか。

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岡崎泰之
design_house@9tubohouse.com


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― 第9回目 家電住宅

株式会社コムデザインと東京電力株式会社の共催で「スタイルキッチン x 9坪ハウス展」を銀座テプコ館で2月27日〜3月4日に行った。
展覧会では”電気とライフスタイル”をキーワードに東京電力とA-WORKSとtele-designのコラボレーションによる新しいキッチン「スタイルキッチン」のプロトタイプ、そして同じく東京電力と弊社commdesignとクライン ダイサム アーキテクツ(KDa)のコラボレーションによる”家電”としての住宅「9坪ハウス PLUG'N PLAY(プラグ・ン プレイ)」の1/10模型を展示した。

□デザイン実験としての9坪ハウス

今回発表した9坪ハウスは販売目的ではなく、将来的な製品化を目指したデザイン研究の一貫である。これまで発表した9坪ハウスは全て購入可能だが今回の9坪ハウスは目的が異なり販売は当面しない予定である。
今後、より良い9坪ハウス製品を開発するために定期的に今回のようなデザイン研究を行い、その蓄積されたデザイン・技術・ノウハウを駆使して最高の9坪ハウスを開発・提供していく予定である。
そして、今回のデザイン研究のテーマである「オール電化住宅とは何か?電気との暮らしとは何か?」の問いに対する解答が「9坪ハウス PLUG'N PLAY」である。

□KDa

先ず、われわれは「電化住宅」ではなく「家電ハウス」として考えることにした。

これまでオール電化の住宅は数多く考えられてきた。それらはあくまでも、住宅の家電化であり家電としての住宅ではなかった。そして、電化住宅は魅力あるモノにはならなかった。なので家電で住宅を作ったらと考えた。

住宅をプロダクトして捕らえ家電としての住宅はいまだかつて存在していない。
例えば、テレビは電化紙芝居ではないし、洗濯機は電化洗濯板ではない。テレビ、洗濯機という家電として誕生したからこそ魅力ある製品に育ったのだ。
プロダクトでもある住宅「家電ハウス」プロダクト、家具・インテリア、建築の枠組みを越えてデザインできるデザイナーが必要であった。

そこで白羽の矢が立ったのが、今回、9坪ハウスのデザインを依頼したのはマーク・ダイサムとアストリッド・クラインの建築家ユニット、KDa(クラインダイサムアーキテクツ)である。
KDaは、かつてデラックスワッシングマシンという洗濯機やCAN CAMなどのプロダクトをデザインした経験もあり、多くの家具やインテリアデザイン、そして本業である建築デザインをこなしているチャーミングなデザインを連発する素晴らしい建築家だ。
プロダクト、家具・インテリア、建築というジャンルを越えてデザインを行うことができるユニットでまさしくプロダクトハウスである家電住宅のデザインには最適なデザイナーである。

□「9坪ハウス PLUG'N PLAY

PLUG'N PLAY」のコンセプトをKDaからのテキスト引用で説明しよう。

私たちはたくさんの家電に囲まれて生活しています。 冷蔵庫や洗濯機など、それがない暮らしを想像してみると、その便利さがいかにあたりまえのこととして生活に浸透しているか分かります。また、家電はより便利なものへと日々進化を続けています。ネットワークを利用した、かしこい家電も登場し始めています。
今までの家電は、それぞれが色、素材、形もざまざまで、住空間の中で存在を主張しあっています。でも、家電がかしこくなってゆくと、それはこちらが多く働きかけなくてもすむ、さり気ない存在になっていくはずです。近未来の家電が持つインターフェイスは、個性によって存在を主張する必要がなくなっていくかもしれません。そのとき、家のなかに家電を置くという、考え方ではなくて、家が丸ごと家電であるような、家電の機能を住宅の機能として取り込むような、そんな住宅のつくりかたが考えられるようになるはずです。

この家は、構造用合板を格子状に組んだ骨組みと家電ユニット、これらを包むガラスの外皮で構成されています。
家全体の構造となる構造合板の骨組みは、タタミ半畳モジュールで格子組みになっており、格子の桝目ごとに家電ユニットがぴったり納まるようになっています。家電ユニットの表面には、最小限のスイッチやスロット以外は現れておらず、一見するとただの壁面パネルのように見えます。必要に応じて好きな場所に好きな機能のユニットをはめることができ、はめない場合はそこが窓になります。
南に傾斜した屋根面には極薄型ソーラー発電シートが設置され、ガラスにプリントされた基盤によってそこから家全体に電源を供給します。ガラスと家電のあいだの電力のやりとりにはインダクティブ充電の技術を応用し、ガラスに触れたり濡れたりしても感電する心配はありません。

また、すべての家電ユニットは独自のIPアドレスを持ち、携帯電話やPDAからインターネット経由で(たとえその場にいなくても)操作/モニタリングすることができます。 メーカーが提供するソフトのアップデータ―を自動で取得したり、家電自身がオーナーにメールを送ることもできます。


[text by KDa]

9坪ハウス PLUG'N PLAY」はあくまでもコンセプシャルなデザインで実用化にはまだまだ研究を続けなくてはならない。
今後も、家電メーカー等と共同で家電住宅の開発を行って行きたい。何時しか、魅力ある家電住宅の製品化をしたい。

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岡崎泰之
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― 第8回目 9坪ハウス/8つの新しいデザイン(3)

今回の9坪通信では8つのデザインの中から小泉誠の9坪ハウスにスポットを当てて みよう。

□小泉誠の「+キャラクターウォール」

「+キャラクターウォール」は9坪ハウス SAH Type1、 9坪ハウス SAH Type2に続 く小泉誠による3つ目の9坪ハウスである。
最小限住居の「骨格」はそのままに して、住まい手が自分のライフスタイルに合わせて自由に空間を作っていける9 坪ハウスである。

小泉の2つのSAH Typeの9坪ハウスは、住まい手が既に存在しており、その住まい手のライフスタイルに合わせた9坪ハウスとしてデザインされた。
なので、SAH Typeの9坪ハウスは、それぞれが特有の人格を持つ各家族全てに対応する住まいではなく、あくまでもSAHの家族向けのものであった。

今回小泉がデザインした9坪ハウスは、そのような状況に対する小泉からの解答とも言える9坪ハウスである。

空間の特徴を述べると、SAH Type同様に構造など骨格は増沢洵の最小限住居をそ のまま使っている。 開口部は、SAH Type同様に四角い窓が大窓の反対壁面に3つ 配置されている。同じ壁面には人が出入りできる大きさの開口がある。 また、3坪吹抜けの空間上部の天井にはトップライトが設けられている。もしも、9坪ハウスが北向きに配置されたとしてもこのトップライトによって十分な光が差込むだろう。
ユーティリティ的なものは何もついていない。キッチン、トイレ等全てオプショ ンである。それは住まい手が自分のライフスタイルに合わせて空間を作る要素なのでオプションなのだ。
キャラクターウォールというL字型の一枚壁が1階にプランの軸線を振った角度で置かれる。
住まい手(=ユーザー)はこのキャラクターウォールを使って自分の ライフスタイルを展開するのだ。

小泉は9坪ハウスを住まいと限定せずに事務所、店舗としての使用案も提案している。
キャラクターウォールの裏側にレジ、フィティング、ストック機能を持た せればフロアの分割がなされ店舗として使用することができる。
キャラクターウォールの裏側にキッチン、WC、収納機能を持たせ、1Fにミー ティングスペースを事務機能、2Fに作業スペースと収納機能を振分ければオフ ィスとして機能する。
キャラクターウォールの裏側にトイレ、バス、キッチンなどの水回りや収納を配 置し、吹抜けに面した表空間に大きなテーブルをおけば暮らしの9坪ハウス=住宅として使用できる。

とっかかりとしての9坪ハウス+キャラクターウォールがあるため、この9坪ハウスは、ゼロから住まいの設計をするのではないので住まい手は気軽に楽しみながら住まいを、自分のライフスタイルを組立てることができる。

皆さんもキャラクターウォールで自分のライフスタイルを創造してみては如何だ ろうか?

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岡崎泰之
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― 第7回目 9坪ハウス/8つの新しいデザイン(2)

今回の9坪通信では8つのデザインの中から阿部仁史と五十嵐久枝の9坪ハウスにスポットを当ててみよう。

□阿部仁史の「9坪ハウスTall」

コンパクトさと自由なライフスタイル

9坪ハウスTallは、3間×3間の間口はそのままに高さを3056m高くし たことでオリジナルの持つコンパクトさを継承する。そして、現代の 土地事情や多様化したライフスタイルに対応するために3つのでデザイン操作を行った。

(1)建物の高さを3056mm原型より高くする。
(2)開口部を各立面に均等に配し、建物の方向性をなくす。
(3)水周りを1階と2階に分けて配する(1階にトイレと風呂、2階に キッチン。)

このことによりオリジナルの最小限住居が持つコンパクトさを失うこ となく、土地やライフスタイルに対する自由度を向上した。

建物が高くなったことで、2階部分は2層吹き抜けの気持ちの良いロフ ト的な空間を有する。また、2階吹き抜け上部(3階部分?)には木の 構造体が剥き出しに現れていて、将来的に住まい手が自ら3階部分を 増築することも可能である。
2階には阿部オリジナルデザインの梯子が置かれている。この梯子は3 階部分の開口の開け閉めを行うものであると同時に、ライフスタイル は自分で作るべきものであるといった自由なライフスタイルの象徴と してデザインされている。

オリジナルが南向けに大きな開口部があるのに対して、この9坪ハウ スは4つの立面全てに開口部が均等に設けられている。土地や環境か ら来る外的要因とどこに何の部屋になるかといったライフスタイルから来る内的要因によって開口部にしたり、閉じて壁にしたりする。
2建ての住宅に東、北、西の三方を囲まれている環境なら見晴らしの 良い北側に2、3階部分に開口を設け、3階南側から採光を入れるための開口を設け、隣の住宅が接近している開口は閉じて壁面にするなどが可能だ。

1階と2階にキッチンとトイレ・バスらの水回りが別々に設けられる。 1階にトイレ・バスと2階にキッチンを配す、もしくは、1階にキッチ ン、2階にトイレ・バスを配することが可能だ。
別々の階に配置される水回りによってライフスタイルの多様化に対応することが出来る。

上記3つの特長によって:

1階が寝室、書斎、2階がLDK、3階が子供部屋
1階が寝室、2階がSOHOホームオフィス
または1階がホームオフ ィス、2階が寝室

といった住まい手にあわせたライフスタイルが可能 だ。

そんな自由なライフスタイルが可能な9坪ハウスTallの購入方法は、 はじめに9坪ハウスTallを購入し、もしくはベースにして壁の位置な ど内装に関してはライフスタイルショップ、インテリアショップと相 談して作ったり、もしくは建物を建てた後に自身でDIY的に作るなん ていうものいいかもしれない。

ちなみに9坪ハウスTallの外壁カラーはスターバックスコーヒーのよ うに黒(ブラック)、モカ(赤)、ラテ(白)から選べる。

最小限住居のコンパクトさと自由なライフスタイルを誘発する9坪ハ ウスTallは大きな可能性に満ちている。


□五十嵐久枝の「コレクターハウス」

デザイナー/五十嵐久枝の9坪ハウスはコレクターハウスである。最小限住居がモノを排除してシンプルなライフスタイルを追及したのとは反対に、現代を消費社会だと割り切って、この小さな住宅で現代のモノに溢れた生活を追及してみようと生まれたのがコレクターハウスで ある。

五十嵐の回答はモノを隠すのではなく、モノをディスプレイとして展示して見せようという考えである。何でも大事にして保管するのでは なく、自分の好きなモノ、大事なモノを住まいに展示できる住宅である。

9坪ハウスの持つ3間×3間、3坪の吹き抜け、14.8尺の切妻屋根のボリューム、丸柱、正面に大きな開口部を設けるといった9坪ハウスの特徴はそのままにモノを展示するために2つの壁面の殆どを覆うように 展示棚を配した。
また、2階部分には1間×1間(1820角)の大きさの ウォークインクローゼットがある。これらがコレクターハウスとしての9坪ハウスを特徴付けている。

1階にはキッチン、トイレ、シャワー室といった水回りとワーキング デスクとしても使用できる大きなダイニングテーブルが置かれるパブ リックな空間である。
1階部分の棚には本や食事に使うテーブルウェ アなどをディスプレイしてもいいだろう。

踊り場がある折り返し階段で2階へ行く。小さな9坪ハウスには贅沢とも思われる折り返し階段は、五十嵐のコレクターハウスを特徴付けているデザイン的要素のひとつでもある。

2階は大きなベットとウォークインクローゼットがあるプライベート な空間である。
棚、テーブル、ウォークインクローゼット、ベットなど一つ一つの要素が大きいがゆったりと配置することにより、ゆとりのある空間に仕上がり、贅沢な9坪ハウスとなっている。

また、この9坪ハウスのデザイン的特徴として女性的なやわらかなカーブがあげられる。
外デッキ、1階のシャワー室と2階のウォークイ ンクローゼットがあるボリュームの壁、吹き抜け部分のフロアーなどがカーブしており、やさしさと贅沢さを特徴付けている。

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― 第6回目 9坪ハウス/8つの新しいデザイン―

9坪ハウスシンポジウム2002

去る2002年10月12日に、私たちは現代気鋭の8人の建築家・デザイナーが新しく9坪ハウスの新作デザインを発表する「9坪ハウスシンポジウム2002」を開催した。

価値観・ライフスタイルの多様化、流動化が進みゆく現代社会において、デザイン住宅「9坪ハウス」という取り組みが現代の建築デザインと社会に対してどのよ うな解答を持ち得るのかを検証する試みであった。

プログラム内容は、1/10サイズ模型展示会、プレゼンテーション、シンポジウムの三部構成とし、「ライフスタイル」「スケール」「建築家とデザイナー」「プロダクト」という4つのテーマから、建築の新世紀に新しいパラダイムを見出そうとする「9坪ハウス」の可能性・位置付けを明らかにした。


□ 5つのルールを使ってのリメイクデザイン

9坪ハウスには建築家"増沢洵"の理念を引継ぐ5つのデザインルールがある。これら5つのルールを使って現代気鋭の建築家/デザイナーが9坪ハウスによる新しいライフスタイルの提案を行った。
以下に挙げるのが9坪ハウスのデザインの5原則である。

(1) 平面は正方形(3間x3間)のプランとする
⇒汎用性と美学

(2) 3坪の吹き抜けを設ける
⇒空間の連続性

(3)外形は14.8尺の切妻屋根
⇒単純性・合理性

(4)丸柱を使う
⇒構築性・柔らかさ

(5)メインファサードには開口部を設ける
⇒比率・内外の一体化


□ 8人の建築家とデザイナー

新作の9坪ハウスの提案を行った建築家とデザイナーは、第一線で活躍している8人のクリエーターである。
建築家とデザイナーの選定は

「空間やプロダクトのみでなくライフスタイルまで創造できる」

ということを念頭において行った。
これまでの実績を再検証し、実際の空間、作品を直に体験・吟味し、最終的にこの8人にデザインを依頼した。
デザイナー3名、建築家5名、いずれも30代40代の気鋭のクリエーターであり、新しい9坪ハウスの可能性を開いてくれそうな8人である。

彼ら8人の名前、そして彼らのデザインした9坪ハウスの名称は以下の通りである。

  • 阿部仁史(建築家)の“9坪ハウス Tall”

  • 五十嵐久枝(デザイナー)の“Collector House”

  • 小泉誠(デザイナー)の“9坪ハウスで働こう!
    -キャラクターウォール+かけがえのない家 -”

  • 佐々木龍郎(建築家)の“present house/gift house”

  • 手塚貴晴+手塚由比(建築家)の“LGS Kit House”

  • 西森陸雄(建築家)の“Cellar House”

  • 橋本夕紀夫(デザイナー)の“FUZEI - 土間のある家- ”

  • 山本健太郎(建築家)の“9坪ハウス ガレージライフ”

次回のコラムでは彼らのデザインした9坪ハウスの魅力についてみてみよう。


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― 第5回目 9坪ハウスのカスタマイズ/オプションデザイン ―

最近、見学会やメールで9坪ハウスはカスタマイズが出来るのかと問合せを多くいただく。そこで今回のコラムでは9坪ハウスのカスタマイズについて話をしたい。

通常の住宅では何もないところから建築家とデザイン作業を行う。しかし、9坪ハウスはデザインが既にある住宅である。建築家とのデザイン作業がいらない9坪ハウスは、自分の好みに合わせてカスタマイズできないと思う方も多いようだ。しかし実のところ、9坪ハウスはオプション・デザインにより自分好みに簡単に改造することが可能な住宅なのである。

□ オプション・デザインとは?

オプション・デザインとは車やコンピュータなどを自分好みに作り変えるのと同じだと考えて頂ければわかりやすい。車を買ったら車のグレードを選んで、そしてカーステレオ、シートの生地や色、サンルーフなどのオプションを追加したり変更したりする。
車種は変わらないのだが、グレードやオプションを付加えることで人とは違った自分好みの車に仕上げていく。
コンピュータも同じだ。CPUの違いでグレードを選んで、好みよってHDやメモリの容量を変更したり、グラフィックボードを変更したり、ソフトを追加したりしてオプションを付け自分の使いやすいコンピュータを作っていく。
この”オプション・デザイン”という行為は、デザインありきのプロダクトに対するユーザーが関わり方の特性と言えるだろう。

□ 9坪ハウスでのオプション・デザインとは?

9坪ハウス『小泉誠デザイン』にはTypeIとTypeIIの2つのタイプの9坪ハウスがある。TypeIとTypeIIとでは、主に玄関・下駄箱、本棚、収納(クローゼット・畳下)、デスクの有無 、バス・トイレ・洗面所セパレート型か一体型という違いがある。
まず、車のグレードを選ぶの同様に自分のライフスタイルに合った家のタイプを選ぶ。
そしてタイプが決まったら次にその車のオプション・デザインをする。 9坪ハウスのオプション・デザインでは、簡単な平面、立面計画の変更、外・内壁、床、天井等の仕様、設備、家具の追加・変更などが可能となっている。
例えば、お風呂を無くしてシャワー室のみにしたり、2階をベッドルームにしたりと変更したり、外壁をオリジナルの最小限住居のようにサイディングボードから杉板に変更したり、TypeIIを選んで床暖房を取付けたり、とさまざまなオプションの組合せで、それぞれ好みに合わせた9坪ハウスを簡単にデザインできる。

9坪ハウスはプロダクト的な住宅だからこのように簡単にデザインを進めることが可能になったのだ。

ぜひ皆さんもこのように車やPCを買う感覚で、自分のライフスタイルに合わせた好みの9坪ハウス作りを楽しんでもらえればと思う。

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― 第4回目 住宅デザインの流通 ―

今回は「住宅デザインの流通」という視点からデザイナーズハウスとデザイン住宅の違い、メリット・デメリットについて考えてみよう。

(1)デザイナーズハウス

建築家/デザイナーがオーダーメイドでデザインするのがデザイナーズハウスである。受注デザインのため、ユーザーは自分一人のオリジナル・デザインを手に入れることができる。
そのためには、ユーザーは建築家/デザイナーと向き合い多くの時間とエネルギーを住宅設計に使わなくてはいけない。
自分のライフスタイルを見詰め直し、再構築する作業なので手間がかかる。 そこには、手塩にかけて自分の住空間とライフスタイルを作れる醍醐味がある。
しかし、それらの住いを手に入れることが出来る人も限られる。 建築家/デザイナーは一年に数棟から10数棟の住いを設計できるが、100棟とか設計するのはかなり困難だからである。
人気のある建築家/デザイナーは「待ち」なんていうものあるみたいだ。

(2)デザイン住宅

デザイン住宅とは建築家/デザイナーが同じデザインの住宅を設計し、それらを流通させ、より多くの人たちに住宅の持つ良さを共有してもらおうというものだ。 「同じデザインを誰でも買える」を住宅で実現しようというのがデザイン住宅である。

車や家具は同じデザインを誰もが何処にでも手に入れることができる。言わば、デザインが流通している。同様に住まいにおいてデザインを流通させるのがデザイン住宅である。

デザイン住宅ではライフスタイルもパッケージ化されているので、ユーザーは自分のライフスタイルに合わせたデザインを選ぶことが可能である。 デザインやライフスタイルを気にいって購入し、後は住まいながら、使いながら自分のライフスタイルに合わせて住いを変えていける。

ファッション・デザインやプロダクト・デザイン、それにソフトウェア等ではデザインの流通は当り前のことだが住宅では家族の個性、敷地条件、地域性などの要因から同じデザインを提供することはなかなか難しかったりする。
9坪ハウスは増沢洵の「任意の敷地に敷地条件にあまり左右されることなくその実現を可能ならしめるものとしたい」という思想を受継いだ、何処にでも建てられるサイズの家だからこそ可能になったのだ。

□住宅入手の楽しみかた

「デザイナーズハウス」と「デザイン住宅」は建築家/デザイナーによる住宅という点では一致しているが、デザインプロセスが全く違う住宅の入手方法であり、ライフスタイルの組立て方である。 どちらも違った良さを持っている。自分が住宅とライフスタイル・デザインにどのように関与したいかによって違ってくる。自分の住宅設計に対する楽しみ方を考えて自分に合った方法で住宅を入手して欲しい。

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― 第3回目 デザイン住宅 ―

このコラムのテーマは『デザイン住宅』である。では一体、デザイン住宅とはどんな住宅なのだろうか?

最近、いろいろなライフスタイル系の雑誌等でデザイナーズマンションやデザイナーズハウスとか言う言葉を良く見かける。インターネットで検索してみるとかなりの数のデザイナーズ住宅が引っかかる。デザイナーズハウス、デザイナーズ住宅、デザイナーハウス、デザイナー住宅など呼名は様々である。
それらは、呼名は違っても一様にデザイナーもしくは建築家が設計・デザインした住空間を指すか、ノンデザイナーだがデザイン性の高い住宅を指している。

私たちは、9坪ハウスを(1)一流の建築家/デザイナーによってデザインされ、且つ(2)住宅のデザイン自体が流通できるものであると定義した。そして、デザイナーズハウス等とは違った住空間であると考え『デザイン住宅』と位置付けた。

(1)一流の建築家/デザイナーによるデザイン

9坪ハウスは、1952年に建築家・増沢洵(故人)の自邸として建てられた“最小限住居”をデザインのベースにしている。“最小限住居”は戦後日本の建築史にその名を残した名建築住宅であり、当時、日本だけではなく海外の建築系メディアにも取上げられ世界的にも注目を浴びた住宅である。

そして“最小限住居”をベースにリビングデザイナー“小泉誠”がリメイクデザインしたものが「9坪ハウス 小泉誠」である。 小泉誠は現代日本を代表するリビングデザイナーであり生活に関するものであれば何でもデザインする。家具、インテリア・住宅は当然のことながらグラス、手ぬぐい、取手、Tシャツまでデザインする。小泉のデザインは、自然素材の持つやわらかさ、やさしさ、強さ等の特性を押し出すと共に近代的デザイン処理を施すことで心地よい緊張感を産み出す。 彼の作品は様々なデザイン系・ライフスタイル系メディアによって毎月のように紹介され、様々なライフスタイルショップ等でも購入することができる。

増沢洵と小泉誠による一流の建築家とデザイナーの時を越えたコラボレーションによって出来たのものが9坪ハウスである。


一流の建築家やデザイナーによってデザインされた住空間ということでは、デザイナーズハウスとデザイン住宅は同じであると言えよう。
しかし、デザイナーズハウスとデザイン住宅では“(2)住宅デザインの流通”の仕組みが大きく違う。では次にその流通の違いについて考えてみたいと思う。

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― 第2回目 衣・食・住の『住』 ―

1970年代、人々は服で自分を表現し始めた。いろいろなアパレルメーカーが登場し人々はお洒落になった。そして、1980年代には『衣』は更に進化し『食』の文化も開花した。バブルの影響でDCブランド系ファッションが流行し、建築家やデザイナーによる飲食店で世界各国の料理を堪能できるようになった時代だ。当時、人々はDCブランドの洋服を纏い、お洒落なレストランやバーに行ったものである。

20世紀、衣・食・住のうち、『衣』と『食』の文化は成長し、21世紀になった今もファッションは重要なアイテムだし、美味しい食事は生活に欠かせない要素である。

では、『住』はどうなっているのだろうか?

80年代、空間に対する人々の興味が湧いたが、建設された建物は商業施設がメインだったために『住』に関する意識まで進化しなかった。1990年終盤から世紀を超える頃、やっと『住』に対する関心が高まってきた。
そして、今では毎週・毎月のように『住』に関するライフスタイル系の雑誌が発行され建築家やデザイナーの設計した住まいが紹介されている。人々は自分の生き方や生活に敏感になりスタイリッシュな暮らし方をはじめている。
しかし、まだまだ多くの人たちは自分に最適なライフスタイルや住環境を手に入れることは出来ていないのも事実である。

『住』はまだ発展途上なのだ。

ライフスタイルと住まいを向上させるには文化として育てる必要がある。そのためには一つに『暮らしの質を高める』こと、もう一つに『より多くの人たちにそれらを提供できる仕組を作ること』が重要だ。

暮らしの質を高めるには、こだわりあるライフスタイルやスタイリッシュな住空間を手がける一流の建築家やデザイナーが創りだす住まいが最適だ。なぜなら、建築家やデザイナー自身がクリエイティブなライフスタイルを楽しんでおり、そのような人たちがデザインする住空間はクリエイティブなマインドに溢れ、住まい手を触発するからだ。

そして、彼らの手によるクリエイティブなライフスタイルをより多くの人たちが楽しむことが出来れば住まいやライフスタイルに対する意識は変わり、新しい住文化が生まれてくるだろう。
その為には、建築家やデザイナーが創りだす住まいをより多くの人たちに提供できる仕組作りが重要であると考える。

自分を表現するために服を着るようになり、各国の美味しい食事を食べられるようになった今、より多くの人たちが自分自身の生活を楽しむための住まいを持てるようになればと考える。

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―第1回目 9坪ハウス」と「狭小住宅」 ―
最近よく「狭小住宅」というタイトルを雑誌とかで見かける。 「狭小住宅」とはその名のとおり狭い敷地に建つ家のことである。 では、9坪ハウスは「狭小住宅」なのだろうか?「9坪ハウス」と 「狭小住宅」の違いは何だろうか?

□モノを所有する贅沢

狭い敷地にどれだけ大きな建物を建てることが可能かが「狭小住 宅」である。2階建ては当然で地上3階、地下室がある家もある。 どれだけ広い空間や部屋数がとれるか、モノが収納できるか等、 建築家のアイディアが一杯だ。狭い敷地ながらも大きな家が持て るのが「狭小住宅」、何とも贅沢だ。

□モノを所有しない贅沢

それに対し「9坪ハウス」では家は小さく敷地は大きい。9坪の 建築面積しかないので大きい敷地は必要ないが、家が小さいので 小さい敷地でもゆったりとしている。敷地一杯に建てるのが目的 ではなく、室内も空間は広いが部屋数も少ない、極力モノを無く そうとしている。自分が本当に必要なモノは何なのかを住い手に 選択することを迫る家でもある。
例えば「9坪ハウス/スミレアオイハウス」では28坪の土地に9坪 の家、19坪の庭がある。そして、家族は厳選された本当に必要な モノと共にゆったりと暮らしている。
自分サイズの暮らしである。こちらも贅沢である。

□自分のライフスタイルを見極める

9坪ハウス」と「狭小住宅」どちらが良いという議論ではなく、 自分のライフスタイルにはどちらが合っているかを見極めるのか が大切だ。小さい敷地に家を建てようとしている人や小さい家を 建てようとしている人は自分のライフスタイルに合わせた家を 選んで欲しい。

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