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『オーナーズボイス』
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9坪ハウス住人のライフスタイル講座 ―

【第11回目 4月号】

うららかな小春日和のある日、
やって来たのは、リビングデザイナー・小泉誠率いる
リフォーム作業部隊、 総勢15名であります。

【縁側作業風景】

そうです。
いよいよ、2階に部屋をつくる時がきたのです。
小泉さんは言い切りました。
「1日で、つくっちゃおう!」



大工さんとの打合わせが済んだ後は
即座に、スタッフを務める多摩美の
学生軍団に説明がなされます。

【現場で確認】

今一度、現場で確認したり、
或いは自らドリルを使って 作業を始めるなど、
小泉さんの動きは溌溂として、
傍らで見ていても、何とも気持ちのいいものです。

詳細な図面はあるけれど、
やっぱり、最後は現場で確認しながら、
細かいところを詰めて、キッチリ納める。
小泉さんならではの空間が、
徐々に出来上がりつつあります。

【先生直々の指導】

作業しながらも、たえず周囲への
気配りも忘れない。

娘たちには、電動ドリルの使い方を親切に
指導して下さったり、「仕事っていうものは、
自分で見つけるもんだよ」と、指南したり。



多摩美の先生でもある、小泉さん。
今回の作業は、模型ではなく実寸で
空間を作りあげていくという、
まさに生きた授業でもあったわけです。



既に完成している家を見学するだけでなく、
完成に至るプロセスを体験すると同時に、
現場で働く小泉さんの姿を目の当りにした
学生にとっては、学ぶことの多い、
充実した一日だったに違いありません。

03.04.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第12回目 5月号】

「子ども部屋ができたんだって?
見たい見たい!ぜひ見せて!!!」

スミレと同じく、中1の息子がいる彼女は言いました。
「そろそろ、部屋がほしくなる時期なんだろうね。
うちも、リフォーム しようと思うのよ」

中1、小4、小2の子ども全員引き連れてやってきた彼女は、
車から降 りるなり、大声で叫びます。
「うゎぁ〜、ホントに部屋じゃん。すご〜い!」



階段を上がり、子ども部屋の前までくると、
再び声を上げるのでした。
「はぁ〜。なんだか、想像してたのより広く感じるよ。
いいなぁ、私もほしいな、自分の部屋!」



リフォームに向けて、じっくり視察する母親がいる一方で、
子どもたちはというと、丸い柱に関心が向き、



さっそく『柱登り競技大会』が行われるのでした。
さらに、子どもたちの視線は縦に走る『柱』から、
横に走る『梁』へと注がれ、



お美しい足の裏をぶらつかせつつ、
サーカス団員のごとく次から次へと
身軽に渡っていくのでした。
再現すると、こんな感じ。

【再現】

そろそろ飽きた?
なんのなんの、 まだまだこれからよ。
中1息子は、階段の中段で立ち止まり、
巨大窓に向かってニタリ微笑みます。



そして、ついに2度目のジャンプで梁に飛びつくことに成功。
う〜ん、この家は遊具なのか?
何はともあれおみごとであったぞ!

03.05.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第13回目 6月号】

「へぇ、こんなふうになるのね!」
何度か、ここに来たことのある友人
が言いました。実はこの時、スミレ
アオイハウス住人である私もまた、
彼女と同じ気持ちだったのです。



ここは、通常、布団や衣類が入って
いる押し入れ。『清水発・大滝正明
+真一郎 木の仕事展』を開催する
にあたり、私物はすべて別の場所に
移動させ、襖をとっぱらい、作品を
ここに陳列したのです。



棚の位置は、自由に変えることがで
きる...頭では、わかってたつもりで
も、この現実を見ると、どうじゃ?
住宅というより、お店ではないの。
ホント、お店開こうかな、なーんて
思っちゃいますよ、小泉さんっ!!



並行して行った<ものづくりワーク
ショップ>では、日常を忘れ、もく
もくと木を削る人たちでいっぱい。
どうしてみんな、こうも熱心なんだろ。
やっぱり、完成後のお楽しみがある
から?



ひとつのイベントをめざして、いろ
んな人たちが同じ空間に集い、語らう。
そして、そこには魅力的な器とおいしい
食べ物、飲み物があって。
参加者が、この場を楽しんでいる。
そう見てとれた時、私は最高に満ち
足りた気持ちになります。やって、
よかったなぁ。



楽しかったイベントは終り、再び、
日常生活に戻りました。当然のこと}
ながら、押し入れには襖がとりつけ
られ、再び布団が納まり...。

さ〜てと。
次回は、何をやろっかなーっ。 

03.06.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第14回目 7月号】

「かしゃっ」

「かちゃっ」



「ぎゅっぎゅっ」



「ぴーん!」


6月28日土曜、雨のち曇り。
この日スミレアオイハウスは D-net会場に早変わり。
会の主催者であるダンナによると、今回やってくる人は
主にデザイン関係の仕事をしていたり、デザインに興味の
ある人たちが多いという。
それと、住宅に関心がある人もいっぱい来るらしい。
なに?「参加者の半分以上は知らない人」だって〜?

イベントの目玉は、2つ。
3月末に1日で『工作』した小泉誠デザインによる
“子ども部屋”と、ヨットを思わせるような、三浦秀彦
デザインによる“セイル”の大公開。
さ〜て、みなさんどんな感想をもつのかな?

っていうかぁ〜、どこ見てるの〜?
子ども部屋は後ろだよ、岡崎社長!



「部屋の中を見てもいいんですか」と聞かれ
「もちろん、ええですよ。きちんと了解とってますからね」
と言いつつアオイの部屋をみると.....
『たちいりきんし!!』のメモが、扉にバッチリ。(汗)

「いいですねぇ。ベッドとデスク。
ひとりだったら、これで充分」

「天井をはらずに、壁で仕切るだけっていうのが、
いいっスね!」

屋根に近いところから、庭に向けて広がる白いセイルは、
そこに集った人たちをすっぽり包んでいる。

家の内側から見ると、まるでテントの中で
身を寄せあっているみたい。

でも外から見ると、やっぱりヨットなんだなぁ。
風が吹くたびセイルと風の戯れる音がする....。
このまま、家が動き出したら、どないしよ〜!

03.07.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第15回目 9月号】

今年の夏は...夏は?いつもの暑〜い
夏は、どこいった?

巨大な開口部が、南にぱっくり口を あけているスミレアオイハウスは、 太陽光線をまともに受けます。そうです、真っ向勝負です。毎夏、この暑さをモロに受けてたつ管理人なのであります。 が、今年はどういうわけか、窓を通り抜ける風が肌に心地よすぎて、肩透かしをくらった感じなのです。
まるで、軽井沢の別荘にいるような気分? 
って、ちょっと言い過ぎかな。

そんなある日、建築家のG氏が言いました。

「2階にどんな部屋ができたのか、
ぜひ、見てみたいですぅ」

「どーぞどーぞ、いつでもどーぞ」
と、調子よく言っていたのですが?
その日、私はコイズミスタジオに行く予定が...。酒の肴だけ用意して、あとはヨロシクとダンナに言い残し家を出たのでした。

「いい感じですねー」

G氏は、2階を見て言ったそうです。
そして、昼からダンナと酒盛りしたそうです。
そら、くやしいというかむなしかったですね、私は。

 

改装中のコイズミスタジオ(ファサード)

結局、私はオープンデスクのごとく連日小泉さんのもとに通うという、楽しい夏を過ごしました。

リフォームを終えたコイズミスタジオ新社屋は、こいずみ道具店も併設された、とても素敵な空間です。



改装中のコイズミスタジオ(室内)

トンネルの向こうで、スタッフの皆さんと楽しく作業した結果は、今秋明らかになります...。

みなさん! リビングデザイナー・小泉誠さんを紹介する本がもうすぐ誕生しますよ。お楽しみに!

03.09.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第16回目 11月号】

朝晩冷え込むようになり、すっかり
秋めいてきました。芸術の秋、読書
の秋……いやいや、食欲の秋の到来
です。

スミレが言いました。「友だちと、
スイートポテトつくるからね!」

ふたり仲よく並んで、さつまいもを
洗い始めます。我が家に初めてやっ
てきたミノリちゃんは、家に上がる
なり、大きく開け放たれた窓やら、
丸柱やら、家のあちこちをジロジロ
眺めていて、何か言いたげな様子。
きっと、ずいぶん変わった家だなぁ
なんて、思ってるんだろな。

さつまいもをマッシュする頃になる
と、カメラを向けつつ親しげに話し
かけるヘンなオバさん(=私)にも
慣れてきたようです。「ね、台所の
使い勝手はどう?」と聞くと「え?
ええ、特に……別に、狭くないです
よね?家だって……9坪って聞いた
けど、そんな感じしないです。9坪
って、もっと小さいと思ってた」



「全部で、50コくらいできるね!」
横に長いカウンターに向かって作業
するふたり。丸っこくて、かわいら
しいスイートポテトが、次々天板に
並んでいきます。

「作業中、ごめんなさいよ」
ヘンなオバさんが、しつこくインタ
ビューするものですから、スミレも
いい加減やめてくれ、ってな顔して
見ています。「これで、最後じゃ!
この家の感想を、ひとことどうぞ」

「ん。おいしい! あ、家ですね。
この家は……とっても『おしゃれ』
だと思う。『おしゃれな家』です」


そう言えば、通りすがりの人、特に
小・中学生くらいの子が、「ここ、
しゃれた家だよね〜」って言うのを
部屋の中で、何度か耳にしたことが
ある。そんな率直な意見は、聞いて
いてハズカシクなるけど、やっぱ、
ウレシイ。人をひきつける魅力ある
ものって、大人も子どもも関係ない
んだね。

03.11.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第17回目 12月号】

「また、何をたくらんでるの」って
言われそうですが。いえね、ここに
御膳を並べたら、一体どんな感じに
なるだろうって、シミュレーション
してみたんですよ。

で、どうなったかっていうと……。

こうなりました! 明治44年という
から、実に100年前の御膳でありま
す。いやホント、お見事というしか
かない。壮観であります。

『能登のもてなし膳』と銘打ち、輪
島の木地屋・桐本木工所で代々使わ
れてきた御膳を並べての大宴会は、
いつものテーブルを囲んでの食事と
ひと味もふた味も違います。

イベントをやる時、小泉誠デザイン
丸テーブルは、一体どこへいくのか。
その答は、こちら。



縁側に置いて、受付となります。

木地屋であり、デザイナーであり、
漆の伝道師でもある桐本泰一さんを
紹介するイベント“普段使いの漆展”
では、漆器の製作工程見本を並べ、
器という、ひとつの形に至るまでの
流れを見ていただくとともに、

普段使いの布団をどけて、可動式棚
“ガチャ柱”を陳列棚として使用、
桐本デザインの漆器をずらーっと、
展示いたしました。

「ん? ここはどこじゃ?」
あれ、わかりまへんかぃ? 御膳が
並んでたのと同じ場所ですがなっ。
しかし、床に直接座ると落ち着くと
いうか、いったん座ると根がはえた
みたいに動けなくなりますわ……。

途中、雨がぱらついたりもしたので
すが、今回も三浦秀彦さんデザイン
のセイルが大活躍。

まったりと時が流れた二日間でした。

03.12.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第18回目 1月号】

あけましておめでとうございます。
とはいえ、そろそろ正月気分も抜け
てきた頃。今さら、年末に行われた
イベントを紹介するのもためらわれ
ますが、やはり「これがなくっちゃ
年が越せないよ〜!!」とまで言わ
れたんじゃ、紹介しないわけに参り
ません。

こうしてソトから見ると、かなり、
アヤシイ集会のようにも見えます。
しかも、時折「あ!」とか「うー」
なんて叫ぶ声まで聞こえてきて…。

実はこれ、人生ゲームをやっている
ところなのです。今回の参加者は、
全部で10名(そういえば…夫は、
年末もリアルな人生を地道に歩んで
いて不在)。みんなこの時ばかりは
ホントの人生をしばし忘れ、あみだ
くじによって結ばれたパートナーと
愛を語らい、生き方を模索していく
のでした。政治家になって、威張り
くさる人生もよし。人生最大の賭け
に出るもよし、です!

疑似だ、ゲームだと言いつつも、何
度かルーレットを回していくうちに
なぜか、みんな熱くなります。人生
山あり谷あり。いろんなことが起き
て、結構疲れてくるものですから、
中には床に転がって、のんびり歩む
人も出てきます。

5時間あまり続いた、人生ゲームの
締めは×ゲーム。最下位には、デコ
ピンが待っているのでありました。
代表として、G氏がデコピンを受けて
たちましたが、実は私も最下位…。
やっぱりくやしい! 今年は、絶対
億万長者をねらうぞー!!



04.01.04
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第19回目 2月号】

いよいよ製本ワークショップの日が
やってきた。小泉さんを紹介する本
『デザインの素』(ラトルズ刊)の
オリジナルバージョンを作る試みが、
今、まさに小泉誠デザインのスミレ
アオイハウスで始まろうとしている。

お昼すぎ、のりやら刷毛、紙、定規
などなど、たくさんの荷物を抱えた
美篶堂チームが到着。今回のワーク
ショップ指導者・上島松男親方曰く、
「ほほぅ、こりゃぁいい!明るくて
スッキリしてて。ん〜、私もこんな
家に住んでみたいですねぇ!」

その後も親方は「いいですねぇ」を
連発、小泉さんの空間デザインに、
すっかり魅了されたもよう。気分よ
さそうな親方を見て、思わずほっと
する主催者であった。

それから間もなく、三浦秀彦さんが
バージョンアップした“セイル”を
持って登場。

縁側や庭に、またひとつ、不思議な
広がりのある空間が生まれる。窓の
向こう側、室内ではすでに本づくり
がスタート、15名ほどの人たちが
部屋の中をあちこち動き回っている
姿が見える。

折を選び、

好みの紙を選び、

そして糊づけをする(これが、結構
難しいらしい)。

美篶堂チームのスムースな進行で、
あっという間に、見事なオリジナル
上製本が次々と完成。参加した人か
らは、「こんなに立派な本ができて
うれしい…。小泉さんのデザインに
包みこまれたおうちは発見と感動の
連続、おなかがいっぱい」との声。

いやぁ〜、めでたしめでたし!



04.02.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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【第20回目 3月号】

訪問者のなかには、突然やってくる
人もいれば、きちんとアポをとって
訪ねてくる人もいる。あるいは酒屋
さんのように、定期的にやってくる
人がいるかと思えば、1年に1度、
それも決まった時期にやってくる人
たち…なんてのもいます。

いかにも現実的な話で恐縮ですが、
女の子がいるご家庭では、お雛さま
をどこに飾るかで、結構、頭を悩ま
せるものです。かくいう我が家にも
娘が2人いて、しかも、それぞれが
お雛さまを持っているというわけで。
ただでさえ小さい家なのに、と思っ
ておりましたが、2階の収納上部を
見上げた途端、思わず「ここだ!」
と叫んだのでありました。

すっかり“女の子のいる家”らしく
なった我が家に、関西方面からお客
さまが2名、いらっしゃいました。
「こんにちはー」

「こ、これは娘さん…?なわけない
ですよね。誰ですか、この人?なん
だか、気になります…」
建築家S氏は、階段を中ほどまで上
がったところで声を上げました。
「あ!」

急に見える階段も、実際には、それ
ほど怖く感じないとのこと。たぶん
手すりの裏側に隠されている、小泉
さんならではの細やかな心遣いに、
触れてみて初めて気づかれたのでは
と思います。

建築家Yさんが、もっとも気になった
ところは、学生の力を借りて1日で
作り上げた、娘ふたりの部屋。

壁材は牛乳パックの再生ボード、戸
あたりのクッション材はワインのコ
ルク栓、角の手かけ部分は既製のL
金具…。革の把手に思わず触って、
「むぅぅ。これは、かわいい…」

ケンチクではなくコウサクで作った
部屋を、ケンチクカのお二方が興味
津々でケンガクする…。

「普通の建築家にはない、緻密さを
感じます」
ケンチクカ2名は名残りおしそうに
スミレアオイハウスを後にするので
ありました。
「今度いらっしゃる時には、おでん
を作って待ってますからねー!」



04.03.09
スミレアオイハウス管理人
萩原百合

 

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